審査してきました!
会場は台北の「南港」と呼ばれる技術開発区として開発が進む地区にあり、その中の最もランドマーク的な建物である。パネリストであるiF事務局長のラルフウィーグマン氏と直接デザインに関し討議できる貴重な機会であった。
世界最大のコンピューター展示会と聞いて多くの斬新なアイテムの出展を期待していたが、リーマンショックの煽りを受け先行開発的なユニークなコンセプト商品は見つけられなかった。そのような景況下、どのような審査内容であったかを簡単に紹介したいと思う。
今回の賞の当落について顕著な特徴が見られたのでまずはそこから。
■賞の当落について
金賞に選考された製品はパネル説明無くともコンセプトが明解に理解できるものであった。外観に強いメッセージが現れ、素材の使用目的が明解かつ構造ディテールに細やかな配慮の行き届いたデザインには審査員一同好感をもった。ラップトップ空冷ファンSpinQは技術的にはプリミティブであるが機能をダイレクトに表現し、そのパフォーマンスを素直に表したデザインとして選考された。
■出展作品の特徴
出展は台湾のPCメーカーやPS周辺アイテムメーカーが中心となっている。
コンピュータ内部に使用するコンポーネンツ、PC周辺アイテムの出展が目立った。去年同様それらが出展の半数以上を占める。
そしてファンシーキャラクターをまとったUSBメモリーや、ハードユーザー用ゲームパソコンなどは
選考クライテリアについて議論が白熱してしまう。(毎度このジャンルのアイテムには議論に時間がかかってしまう。時には審査員個人のキャラクターの趣味志向に話が及びのがおもしろい。)
また今年はデジカメ、携帯電話などの出展は無かった。
■金賞作品について
今年は技術革新的なアイテムはなかったものの、イニシャルコストをかけず素直に内部構造うまく外観に表した高感度高い製品が多く見られた。
■「Green Award 賞」について
COMPUTEX TAIPEIデザインアワードの中で最も独自性ある製品に贈られる賞「Greenアワード」が、今年は見送られた。技術革新が優れるものの、操作インターフェースデザインが優れず惜しくもこの賞を逃した作品がいくつか見られた。今年はとても残念な結果となってしまったが
今後世界を驚かすことのできる優れた作品が出展され、この賞のアイデンティティが高められることを期待する。OEMからODM,OBMへと転換を図った台湾企業からの更なるチャレンジが望まれる。
●受賞作品の中から
1.SI-24S
この製品は板金技術のみによって(一切の樹脂パーツを使わず)外観を巧みに精度高くまとめた点が高く評価された。同じ板金を白黒とハイコントラストで仕上げ、板金の穴部までをデザインエレメントとして活かした点は、こびず、多くの説明を必要としないデザインとして高感度高かった。おそらく製品とかく新素材採用に頼りがちな昨今、見習わなければならない素直なアプローチと感じた。
2.ハンディーバーコードスキャナー
ZEBEX Z-31302BT Handy Bluetooth CCD Barcode Scanner
数少ない日本製品の出展であるがディテールまでデザインが行き届いた作品として高く評価した。
特にスイッチの操作感は他の製品に比べ直感的に間違いない操作方法だな、と印象付けられる。ボタンレスポンスが確実かつ心地よく指にフィットする点も優れる。精度感高い作品に○!
3.SpinQ
金賞受賞作品の一つ、カバーをまとわないこのCPUクーラーはデザインするものにとって逃げ場の無いアイテムであるが、その思い切りよい、ぶれの無い表現に大変好感が持てた。「いかにこの製品パフォーマンスが優れているかが想像させることができる」というデザインの役割が果たされた作品ではないだろうか?
■その他
審査では各審査員の考えが明確に判明するので面白かった。キャラクターグッズ審査では思わず各自個性が出たり、、、
今回は前回上海で行われたiF CHINAよりも英語が堪能なメンバーとなり(ヨーロッパデザイナーによる構成のため当然)、自分の英語力ゆえ、まるで自分が審査されているような緊張感を味わってしまった!デザイン力 / 英語力のブラッシュアップに努めるべきことを痛感させられた。



